JADRI:日本自動車流通研究所は中古車の円滑な流通を目指し、ユーザと事業者にとって有益な情報を提供します。
2020.07.10
令和2年7月10日開催定時社員総会を損保ジャパン日本興亜日本橋ビルにて開催いたしました。
議案につきましては以下の通りです。
第1号議案 代表理事1名・理事3名再任 新任理事1名新任監事1名の件
第2号議案 第13期(令和元年6月1日から令和2年5月31日まで)計算書類承認の件
第3号議案 第14期事業計画の件
すべての議案につきまして承認可決いたしました。
14期の組織体制は以下の通りでございます。
代表理事 岩崎 孝 株式会社インディオ富山 代表取締役
理事 手塚 真司 株式会社カーセブンディベロプメント部長
理事 須釜 武伸 株式会社IDOM執行役員
理事 難波 克年 株式会社ナック代表取締役社長
理事 倉田 明彦 ユナイト株式会社代表取締役
理事 江頭 大介 カレント自動車代表取締役
監事 磯貝哲也 株式会社ネクステージ
<概況報告>
2019年度の実質GDP成長率は前年比+0.4%と5年連続でプラスを達成するが、低い伸びにとどまりました。6月8日に発表された2020年1~3月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比-0.6%(年率換算-2.2%)と2四半期連続でマイナス成長に陥っております。1次速報の前期比-0.9%(年率換算-3.4%)からは上方修正されたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、年明け以降の景気は家計部門を中心に急速に悪化した状況に変化はありません。設備投資は増加したが、感染拡大防止のために企業への休業要請、家計への外出自粛要請が出されたことで個人消費が2四半期連続で減少したほか、世界経済悪化とインバウンド需要の落ち込みを受けて輸出が急減しております。5月25日に緊急事態宣言が全面的に解除され、経済活動の再開に向けて舵が切られるなど、足元で景気は最悪期を脱しつつあります。新しい生活様式の下、経済活動の再開は段階的に進められることになる。このため、緊急事態宣言中の個人消費の落ち込みを一気に取り戻すことは不可能であり、4~6月期は前期比-6.3%(年率換算-23.0%)と、リーマンショック時の記録(同-4.8%、-17.8%)を上回る落ち込み幅となる見込みであります。
一方、自動車業界につきましては、2019年の国内新車登録車販売台数は前年比1.5%の減で、総計は519万5,216台となりました。登録車は前年比1.9%減の328万4,870台 軽自動車が0.7%減の191万0,346台となり軽自動車においては3年ぶりに前年比を下回る結果となりました。また、直近今年1~5月の国内新車販売台数は前年比19.2%の減で186万0,404台となっています。登録車は前年比18%現の118万4,837台で軽自動車が21.3%減の67万5,567台となっております。
さて、中古車登録車(普通・小型)台数の推移をみますと2019年の登録台数は前期比0.4%増の337万1,104台となりました。直近の今年1~5月期で8.1%の減で135万6,848台となっております。軽四輪乗用車の2019年の中古車販売台数は前期比2.2%増の250万4,576台となりました。直近の今年1~5月期の実績は前期比6.8%減の106万0,473台となっております。また2019年の輸出抹消登録台数は前期比5.7%増の221万6,819台となっており直近の今年1~5月期は6.8%減の59万8,193台となり前期比を下回っております。
2020年度の状況としましては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行と、この感染症を封じ込めるために実施された経済活動の停止措置により、世界経済は短期間のうちに甚大なショックを受け、深刻な景気後退に陥っております。緊急事態宣言発令後、外出自粛や営業自粛の動きが強まったことで個人消費が急減し、小売業販売額や耐久消費財出荷指数等の消費関連系列が急低下したほか、海外経済の急速な悪化に伴う輸出の急減で、見通しのつかない状況になっております。
中古車買取りビジネスは仕入れた車輛をすぐにオートオークションで売却するフロー型ビジネスであることから、根本的に小売販売よりも1台当たりの収益は小さい傾向があります。このため、ユーザーからの直接買取りでは、買取り専業事業者が中古車販売大手事業者よりも高値を提示することが難しく、ユーザー獲得競争では大手の中古車販売事業者が優位なポジションに立ちつつある。買取り専業事業者は、こうした市場変化の中で、従来のオートオークション売却一辺倒から小売りや業販比率の向上へと舵を切り始め、中古車販売事業者と買取り事業者の境界は希薄になりつつあります。
一方、中古車小売販売市場は、ディーラーの中古車事業強化と、ガソリンスタンド(GS)や整備事業者など異業種による新規参入事業者の増加により、競争が激化。自動車保有台数の増加幅が限りなくゼロに近づきつつあることや、自動車に嗜好性を求めるユーザー層が減少傾向にあることを背景として、本業からの収益が減少傾向にある部品・用品販売、自動車賃貸、整備業者などが、車両販売に新規進出し、顧客の囲い込みにより安定的に収益を確保できる仕組みの構築している現状であります。
このような背景の下、JADRIとして3つの方針を掲げます。
1.JADRI社員・会員企業及び自動車買取り小売り媒体企業との連携強化
2.新規事業の創造
3.コンプライアンス遵守
中古車流通の更なる活性化を目指し新しい仕組みの創造や消費者に対して「安心性」「信頼性」「利便性」を追求、訴求し中古車流通台数の拡大を目指してまいります。
今後も関連業界に本研究所の活動意義や活動内容をご理解いただく為に、活動成果を対外的に公表することで、研究所活動の意義及び研究所自身の存在感を増していくことを目指してまいります。
2.事業方針
(1)買取り事業について
14期につきましては。買取り媒体事業は撤退といたしますが引き続き社員会員との媒体事業者の情報連携につとめ営業活動促進活動を進めてまいります。
(2)小売・共有在庫事業について
買取り事業者の中古車小売販売活動においての対策支援の協議を進めてまいります。 引き続き共有在庫の出品台数の増加、出品企業の拡大に努め手数料などのコスト削減に努力していきます。
(3)オークション事業について
JADRIリレーオークションにつきましては、引き続きアライオートオークションとの連携により年6回のAAの開催を予定しています。また他のAAとの連携も模索し拡大に努めてまいります。
(4)行政機関、関連機関、関連団体、研究会などとの連携、情報交流幅広い車両情報を十分に共有し、有機的に連携することで有効に活用するため、行政機関や関連団体などとの連携を深める渉外活動を行ってまいります。
(5)新規会員獲得活動
活動の根幹であり財産である社員・会員増に勤めそれにより、新規社員・会員の持つ新たなる情報と、既存社員・会員の持つ情報を相互に交換することにより、新たなる事業における「共に勝つ」事業環境の創造を目指してまいります。